フェアウェル・トゥ・ザ・ワールズエンド


序章 ハロー・トゥ・ザ・ワールズエンド


1

ちーちゃんは、おかたづけがだいすき。
おかあさんにいわれなくても、じぶんでおへやをかたづける、とてもかんしんなおんなのこ。
だからちーちゃんのへやは、いつもきれい。
ゆめがつまったおもちゃばこも、えほんがならんだほんだなも、きちんとせいとんされている。

けれども、おかたづけにむちゅうになるあまり、もうほかにかたづけるところがなくなった。
もっと、おかたづけをしたいな
よのなかには、ちらかったところがたくさんあるはず。たびにでて、よのためひとのため、せかいじゅうをかたづけたいな。
そうはいっても、ちーちゃんはまだ5さいになったばかり。
ひとりでおそとにでることは、おかあさんがゆるしてくれません。

こまったな。たいくつだな。
ひとりでも、おかあさんにおこられずにいけるところはどこだろう?
ちーちゃんはあれこれとかんがえた。
そうして、ついにみつけたばしょ。
ちーちゃんの、こころのおくそこの、さらにおく。そのまたおくの、とびらのむこう。
とてもちらかってるへやがある。
ものすごくひろいそのへやのなかは、いろんなものがごちゃごちゃしていて、ちーちゃんはおおよろこび。

さっそくはじまるおかたづけ。
するとがれきのむこうから、ちーちゃんよりもちいさなおんなのこがやってきた。
このこはだれだろう?
しらないおんなのこだけど、どこかであったことがあるようなきもする。でもやっぱりしらないや。
「このへやをかたづけたらだめですよ」
ちいさなおんなのこはそういって、ちーちゃんにかたづけをやめさせようとする。
ちーちゃんはほっぺをふくらまし、「どうしてだめなの?」と、ちいさなおんなのこにもんくをいう。
ふたたびはじまるおかたづけ。

「このへやはちらかってるのがふつうなの。かたづけたらたいへんなことになるの」
ちいさなおんなのこはなきながら、おかたづけをやめさせようとするけれど、からだがちいさいので、うでずくではちーちゃんにかなわない。
しばらくすると、なんだかあたりのようすがおかしくなってきた。
とつぜんまわりがひかりだして、まぶしくてなにもみえなくなっちゃった。

どっかーーーーーん!!!

ものすごいばくはつだ。
なにもかもがふきとんで、かたづけるものもなくなった。
せっかくおかたづけができるとおもったのに、あてがはずれてちーちゃんはしょんぼり。
「だからいったでしょ。ここをかたづけたら、せかいはばくはつして、ぜんぶのものがきえてなくなるの」


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